成年後見(法定後見)を活用することで将来の不安を解消させましょう!
成年後見(法定後見)は精神上の障害により生活に支障をきたす方のために代理人が代わりに財産管理する制度です。法定後見は精神上の障害が発生したときに利用する制度で、任意後見は精神上の障害が発生する前に予め契約する制度です。
どちらも、後見人に選ばれた者がご本人を法律面や生活面で支援するものです。後見人を指定することで、ご本人お一人では困難な不動産や預貯金等の財産の管理や各種契約を安全に行えるようになります。成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度の2種類があります。
法定後見・任意後見のメリット
- もしものときでも意思を尊重!
- この先、いつ何が起こるかは誰にもわかりません。あらかじめ、任意後見を活用しておけば、何が起きても、代理人がご自身の意思を反映するよう手続きします。
- 財産を守ることができて安全・安心!
- 代理人が財産管理を行いますので、ご自身に判断能力がなくても財産を守ることができます。代理人は、親族や専門家(司法書士・弁護士など)から家庭裁判所が選びます。
また、事前にご自身で代理人と契約することもできますが(任意後見)、この場合も障害発生時に家庭裁判所が関与します。代理人の選任、手続運用ともに安全で安心です。
法定後見
民法の定める後見制度のことで、本人の判断能力が衰えてしまい日常生活に支障をきたす場面がある際に、民法で定められた人(申立人)が家庭裁判所に申立てをして家庭裁判所が、認めれば判断能力の程度に応じて本人を支援する人(後見人・保佐人・補助人)が選任されます。
そして、支援者は本人の希望をくみ取りながら、本人のために財産管理や身上監護等のサポートをします。判断能力が十分でない方の代わりに、財産管理をはじめ、本人にとって必要な判断による契約をするなど、法律面・生活面で支援していきます。
もちろん、成年後見人が何でもできるわけではありません。本人に大きな影響を与える判断には裁判所の許可が必要とされています。基本として本人にとって不利益がなく、利益となることであれば許可されます。
当司法書士事務所では、後見人として、直接ご本人様をサポートすることを含め、法定後見申立書類作成や後見事務のサポートを行っています。
- 申立書
- 当事務所にて作成致します。
- 診断書(成年後見用)
- 申立手数料
- ア)収入印紙代、イ)登記印紙代、ウ)郵便切手代として別途10,000円程度必要となります。
- 本人についての書類
- ア)戸籍謄本、イ)住民票、ウ)後見登記されていないことの証明書 (法務局で発行しています)。
任意後見
任意後見契約は、公正証書にしなければ効力が発生しません。公正証書にするためには、公証人役場で公正証書にする手続をしなければなりません。公正証書にする手続に必要な書類は、原則として以下のとおりになります(発行後3ヶ月以内のもの)。
- 本人の住民票・印鑑証明書・戸籍謄本
- 任意後見受任者の住民票・印鑑証明書
- 本人・任意後見人のご実印
- 本人・任意後見受任者の本人確認資料(運転免許証やパスポートなど)
- 公正証書にする時点で、本人の契約締結能力(判断能力)に疑問がある場合には、公証人への診断書が必要になる場合があります。
成年後見に関するよくある質問FAQ
- 成年後見制度とはどのような制度ですか?
- 成年後見制度は、家庭裁判所が関与して、認知症、知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な人の権利を守り、保護するための制度です。これにより自分一人では困難な不動産や預貯金等の財産の管理や各種契約が安全に行えるようになります。
- 成年後見を行わない場合には、どのような不利益がありますか?
- 本人に判断能力が全くない場合には、例えば、預金の解約、福祉サービス契約の締結、遺産分割協議、不動産の売買等をすることができません。また、判断能力が不十分な場合に、これを本人だけで行うと、本人にとって不利益な結果となるおそれがあります。
- 任意後見とはなんですか?
- 任意後見制度は本人がまだ判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分になった時のことを考えて、あらかじめ代理人(任意後見人)を選び、自分の療養看護や財産管理について代理権を与える契約を結びます。この際、必ず公正証書を作成します。このように、将来自分の判断能力が衰えた時に自分の希望している方を後見人として指定できることは大切なことだと思います。
そして、本人の判断能力が不十分になったときには、家庭裁判所は後見開始を決め、任意後見人は、家庭裁判所が選んだ任意後見監督人のチェックのもと、本人に代わって財産を管理したり契約を締結したりして本人を支援します。 - 成年後見制度のデメリットはなんですか?
- 会社の取締役に就けなくなったり、弁護士や医者等の一定の資格に就けなくなるといった資格制限もあります。
なお、以前の禁治産制度では、その旨が戸籍に載ってしまっていましたが、成年後見制度ではその旨が戸籍に載ることはありません。その代わりに東京法務局に登記され、本人や成年後見人などから請求があれば、登記事項証明書が発行されますが、特に生活をする上でデメリットはありません。